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愛染明王の御前で
第11章 第十一話
「あら、梢さん、住職の話は聞いてなかったのかしら」
二穴責めをしながら、途中途中に藤乃は言葉を挟んだ。
藤乃の唾液と、自分が知らないうちに流した梢の愛液が混ざり、ブチュチュルチューという卑猥なハーモニーを奏でている。


「うちの御本尊様は愛染明王様よ」


愛染明王…。
梢は聞いたことがなかった。
住職が説明をしてくれたのだろうが、なにせあのときは尿意が襲ってきて上の空だった。
花を生けているときも仏の顔を見る余裕もなかったので、これが初見である。


「愛染明王様はね、『煩悩と愛欲は人間の本能でありこれを断ずることはできない、むしろこの本能そのものを向上心に変換して仏道を歩ませる』と仰っているのよ」


どうもよく理解できない。
文系の学部に通う女子大生である梢にとって、仏道などという言葉は初めて聴いたものであって、意味すらわからない。


「あっ!あっっっっ!お、奥様!ダ、ダメです!」


気が逸れたと藤乃は感じたのだろう。
梢の肛門をこじ開けるように、藤乃の舌先が硬くなった。
ドリルのようになった舌先が、肛門の中心部分をグリグリとこねくり回す。
ギュッと力を入れて藤乃の舌先の侵入を拒むものの、筋肉の疲れによって緩んでしまうときがどうしてもある。
そこを狙い、藤乃の舌先が強引に肛門を広げようと試みる。


「はぁーーーん!あっ!あっあーーーーーん!」
今までよりも明らかに肛門の内側で、藤乃の舌先を梢は感じた。
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