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暴行!青野雪子
第2章 不信
スマホが鳴っている。雪子は目を覚ました。

寒気がする。全裸のまま床で横になっていた。何故全裸なのか?わかるまでに数秒かかった。オナニーの途中で眠ってしまっていたのだ。起き上がって机の上のスマホを見る。相手は不倫関係にあり、民主国民党の代表である勝又優太郎であった。

取るかしばらく考えて・・・取らなかった。昨夜のことを彼に話すことはできない。実は大岩邸に姉の飯倉夏子を助けに行ったのだが、逆に大岩大五郎に弱みを握られ、酒池肉林の乱交に巻き込まれたのだった。ごめんね、優ちゃん。心の中で謝った。

二人の関係。最初に接触してきたのは彼だ。昨年の夏頃だ。雪子が大岩大五郎の性加害記事を書き始めた頃に大岩の話を聞きたいと連絡を受け、1回だけのつもりで食事をした。勝又は少年のような瞳ですべてを語るのだ。言葉で言わず、瞳で訴えるタイプなのだ。その瞳はそのとき言っていた。し・た・い と。

非常に気を使いバレないようにしてきた。移動は別々。同じタクシーや新幹線には乗らない。一緒に歩かない。それでも大岩大五郎にはバレていたのだ。

初めて泊まった朝、妻に悪いからもう会えないと言った。涙目でもう会えないと言った。奥さん思いの誠実な人だと思った。それなのに、その後たびたび呼び出され密会を重ねた。シティホテルなら政治活動名目で領収書をもらい自腹切らずに済むのだが、彼は律儀にも税金は使えないとラブホでポケットマネーで払っていた。

ごめんね、優ちゃん。本当にごめん。私、汚い体になってしまった・・・。



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