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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第23章 旅の夜

火鉢の赤い光が、木賃宿(キチンヤド)の小さな部屋をほのかに照らす。竹の簾が春の夜風に揺れ、畳の青い香りが漂う中、鬼の唇が巫女の唇を優しく捉えた。
「……っ…ふ、…ん……//」
壁際で逃げ場のない彼女の小さな吐息が、鬼の熱い息に溶け合う。
口付けは深く、柔らかく、まるで彼女の心をそっと解くように、丁寧に重なる。
クチュ....ヌルッ...
「…は…、ぁ……ふぅぅ……!」
鬼の舌が巫女の唇を割り、彼女の甘い内側を味わうように滑り込む。ゆっくりと絡み合い、彼女の震える吐息を吸い取る。
「もっと口を開けろ……!」
「あ…っ…ふぁっ…………ぁぁぁ」
鬼の大きな手が、巫女の頬を包み、銀色の髪が彼女の黒髪に絡んだ。
彼女の唇が震え、恥じらいと信頼が混じる琥珀色の瞳が鬼を見つめる。
口付けは一度離れ、再び重なり……彼女の唇を愛おしむように何度も吸い、柔らかな感触を確かめた。
そしてズルりと腰がずれて頭が下がった巫女の上に、鬼が被さった。
「ハァ………待っ……ぁっ…て……!」
深い口付けが途切れた隙に巫女が囁く。
声は震え……頬は紅潮している。
「ん……?」
「やっぱ り……その……先にっ…身の清めを……!人の姿をしているわたしは、あなたと違って旅の汚れが付いております…から…っ」
「汚れ? お前にか?」
恥ずかしい気持ちを堪えて言ったのに、鬼はまったく気にならないという様子で、巫女の襟元を左右に割った。
白い小袖がはだけ、彼女の胸元が晒される。白い肌が桃色に染まり、柔らかな曲線が浮かび上がる。
「…っ…長く山道を歩いた後なのです!」
「気にするな。それに昼刻、川で水浴みをしていただろう」
「しましたが…、……え? まさか…それも見ていたのですか?」
「ああ」
「……//」
「悪くない景色だった」
悪びれず即答する鬼に、巫女の顔がさらに赤くなる。

