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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第23章 旅の夜

 鬼は面白がるように胸元に鼻を寄せ、クンと匂いを嗅いだ。

「ぇ……ゃ……// 嗅がないでください」

「ハァー……お前からは俺を誘う匂いしかしないのだがな」

 熱い息を吐き出し、鬼は巫女の乳房の柔らかな丸みに口付けた。

 唇が肌に触れるたび、熱い感触が彼女を震わせる。

 彼は繰り返し口付けて痕がつくほど強く吸い付いた。

「んんんっ…//」

 白い肌に赤い花のような痕が咲き、巫女の身体がびくんと怯えた。

 鬼の舌が柔らかな頂を愛おしむように這い、円を描くように舐め上げる。敏感な突起を軽く吸い、歯で甘く噛むたび、彼女の吐息が甘く乱れる。

 よじる巫女の身体から…徐々に力が抜き取られた。


「そもそも気になるなら…お前も人間の擬態を解き、もとの姿に戻ればいいだろう」

「それっ…は……こんな人里で、できません」

「今は誰も見ておらん」

「……//」

「どうかしたか」


 顔をそむけた巫女の黒髪を……鬼が指ですくい、横顔を覗いた。



「だってあなたが──……スル、……カラ」


「……?」


「……だから……! 変化をといたら、あなたが……尻尾を苛める……から」


「……フッ、ああ…そうであったな」



(恐ろしい女だな……)


 この彼女の表情がどれだけ鬼の理性を狂わしているのか、巫女は気づいていない。


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