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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第23章 旅の夜


「──お呼びですか、鬼王さま」


「‥‥ぇ、ぇ‥?」



(いま、の声、なに‥‥!?)



「なっ‥//‥‥なんで、すか、あなた‥‥!」

「俺の式鬼だ」

 快楽に染まる頭に、突然、鬼ではない別の声が届き、巫女は瞠目(ドウモク)する。

 つとめて冷静な様子でそこにいたのは鬼が使役する式鬼(シキ)だった。

「隠す必要はない。こいつは俺が術で生み出した…俺の分身のようなモノだ」

 はだけた胸元を咄嗟に隠した巫女を、鬼が優しく抱き起こす。

 分身……!?

 そう言われてたところで、恥ずかしさは消えない。

「丁重に可愛がれ」

「かしこまりました」

 巫女の恥じらいを置き去りに、鬼が式鬼(シキ)へ命令する。

 鬼はあぐらをかいて座り、片脚に巫女を座らせ、腕を腰に回した後、ふたたび胸を口に含んだ。


 ...チュッ、チュッ、クチュ...♡


「ぅぁぁ‥‥っ‥‥//」

 正面に座る式鬼へ丸見えの体勢。ふたりの情事を見せつけているようだ。

 だが式鬼はいたって冷静なまま──。

「お召し物が駄目になっては巫女さまが困りましょう。鬼王さまが引き裂く前に脱がします」

 式鬼の手が、巫女の小袖を滑らかに脱がせる。

 緋袴が畳に落ち、彼女の白い肌が火鉢の光に照らされる。

 スルッ───

「やめて‥‥っ‥」

 式鬼の指が衣の結び目を解き、ゆっくりと剥ぎ取ってしまった。


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