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第4章 自分勝手な“智子”

　幸楽学園では午後の授業が始まる前に、当番制で教室の清掃を行うルールになっていた。
　その日は智子達グループの番である。
「智子もちゃんと掃除しなさいよ」と小百合が言う。
「掃除なんてのは、私の手が汚れちゃうんで嫌よ」と智子が反論する。
　智子はお嬢様育ちで、家でも掃除などやったことがないのであった。
「Z先生に言いつけるわよ」と小百合が怒りを込めて言い返した。
「勝手にすればー」と智子。

　しばらくすると、教室にZ先生がやってきた。
「おい、智子、なんで掃除をしないのだ？」
「だってー、私掃除の仕方なんで知らないんだもの」と智子。
「しかたない奴だなぁ、放課後、指導室へ来なさい」とZ先生が言う。
「掃除しなくっていいんなら　行きますよー」と口を尖らせながら智子が答えた。

　放課後になり、智子が指導室の扉を開けると、既にZ先生がソファーに座っていた。
　すると、「お前はほんとしょーがない奴だなぁ」
「でもな、お前が私が与える試練に耐えられるのなら、今回は大目に見てあげるぞ」とZ先生が智子に提案する。
「えっ、試練？」怯えながら智子が答える。

「さあ、床の上で正座しなさい」とZ先生がにやつきながら言う。
「最低でも１時間は辛抱することだ」
「えっ、１時間も」と智子。
「そうだ、正座を通じて、友達にかけた迷惑を反省しろ」とZ先生。
「しかたないなぁ」と智子は床へ正座した。

（中略）

「先生、足が痛いですよー」と智子が泣きそうな声で呟く。
「まだまだ時間は充分にあるるぞ」と厳しい顔をしてZ先生が言う。

（中略）

「先生、もう限界、無理」と智子が絶叫した。
「よく頑張った」
「反省したのか？」とZ先生が言う。
「はいはい、もう反省しまくりです」と智子が答えた。
「よーし、では終了だ」とZ先生が言う。
体を横に倒し「はぁ、はぁ」と智子が唸っている。
「さぁ、行っていいぞ」とZ先生が言う。
　しかし、足がしびれている智子は身動き一つ取れない状況になっていた。

　それから約１０分が経過し、智子は立ち上がりフラフラしながら指導室を後にした。
一方、Z先生は今日はよい指導をしたなぁ　と内心で呟いていた。

　智子がブスでなければ別の指導法もあったが、なんせ智子はクラス一番のブスなんで、Z先生の変態魂に火をつけることができず、正座をさせられる羽目になったのである。