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午後四時までの性隷
第28章 幕間
ガード下の二階にある小さな探偵事務所へ女が来たのは、一ヶ月ほど前のことだった。

「所長。一応報告書はできましたけど…」

20代半ばの女性所員が口を開いた。

「自分で自分のことを調べて欲しいだなんて、おかしな依頼だと思いませんでしたか?」

冴えないサラリーマン風情の50代と思しき男性が答える。

「主婦からの依頼は亭主の浮気調査が相場ってもんだな、たしかに」

所長と呼ばれた男が女性の書いた報告書に目を通した。

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隣家の主婦・梓の証言
お隣さんですか?
特に変わったところはありませんよ。
可愛いお嬢さんに素敵な旦那さんですし。
家庭は円満だと思います。

商店街の花屋のアルバイト・梢の証言
お名前は存じませんけど、あの奥様なら良く覚えています。
週に一回くらいのペースでお越しいただいてますから。
誰かのためにお花を買うというより、ご自宅に飾っていると思いますよ。
ラッピングは一番簡素なものですので。
変わった様子ですか?
毎日顔を合わせているならまだしも、そこまでお会いするお客様じゃないので…。

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他にも数人の証言が載った調査報告書を仕上げた女性が、口を開く。

「しかも聞き取りして欲しい人まで指定するって、どうかしてますって」

「かもしれないが、依頼人の希望なんだ。それを遂行するのが俺たちの仕事ってもんだ」

「それはそうですけど…。で、このままお渡しするんですか?」

「ああ。もちろん」
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