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午後四時までの性隷
第10章 平日午前のデパート
アブノーマルな願望を知られていること、そして、それをされたいと熱望している相手だからこそ、私は榎木さんを直視することができませんでした。

モジモジしていると、ウェイトレスさんが注文を聞きに来ました。

「ええっと…」

それが精一杯でした。

「僕と同じものを。いや、ミルクが入っていた方がいいかな。カフェオレで。いいですよね?」

「え…ええ。それで」

私の気持ちを察してくれ、榎木さんがオーダーしてくれました。

「承りました。ではカフェオレを一つですね。少々お待ちください」

ウェイトレスさんはにこやかに言ってくれたのに、彼女の顔も見ることができませんでした。

そんな私に向かって、榎木さんは微笑みながら言いました。

「アイさん、緊張しないでください」

「は、はい」

「僕も実は緊張して肩がカチコチなんですよ」

糸が切れたマリオネットのような仕草で、私をリラックスさせてくれようとしています。

やはり榎木さんを信用してよかった…と、改めて思いました。

思わず私も顔がほころびました。

「改めまして、はじめまして、榎木と申します」

「こ…こちらこそ、は…はじめまして、アイといいます」

ぎこちない会話の始まりでした。

「イメージと違いましたか?」

「い…いいえ、全然。そ…想像していた通りです」

「メッセージでもお教えしましたが、僕は…」

榎木さんが改めて自己紹介をしてくれました。
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