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監禁!水沢笑子
第4章 無念

それから1か月が経った。
「課長、立件しないってどういうことですか?」
笑子は署内で課長にかみついた。
「田中は死んだ。それでお前も満足だろ?」
田中竜次は潜伏先で4課の大岩刑事と銃撃戦になり射殺された。だが、射殺した刑事が大岩だってことはマスコミ発表はされていない。
「違います。AV新法に違反した法人としてのボインはどうなります?」
「おまえの証言だけで立件は無理だ」
「自殺した被害者もいるんです」
「だいたい俺の許可もせず勝手なことしやがって」
課長は部屋を出て、笑子は追いかけた。自動販売機の前で缶コーヒーを2つ買い、1つを笑子に渡した。そして自分のを開けてぐいっと一口飲んだ。
「4課からクレームがきてる」
「クレーム?」
「ボインは武田組のフロント企業だ。1課が何で手を出すんだと」
「課長はそれでいいんですか?犯罪見逃して平気なんですか?」
「いいもなにも刑事部長も了解している。仕方ないことだ。おまえもだんだん警察はそういう所だとわかっていくよ」
体張ってがんばったのは何だったんだ?やりきれない。
「もしボインを挙げたら武田組と警察との戦争になる。ボインを見逃す代わりに田中射殺の報復もしないということで4課が武田組と話しをつけたんだ」
笑子は一気にコーヒーを飲み干してゴミ箱に捨てた。
そして廊下をまっすぐ突き当りの4課めがけて歩き出した。
「おい、やめろ。水沢戻って来い!」
笑子は4課のドアを開けた。
「何だ?」
出てきたのは大岩刑事だった。
「何でボインを見逃すの?」
笑子の凄い目つきを見て大岩は慌てて廊下に出した。
「その話はもう決まったことだ。君か?水沢って」
「はい」
「よくがんばった。でももう危険なことはよせ」
そのとき1人のヤクザ風の男が4課から出てきた。赤いスーツを着ている、確かボインが入ってるビルの前ですれ違った男だ。
「ねえ、あの人は?」
大岩の顔つき厳しくなった。
「牛原刑事だ」
「4課の人?」
「ああ」
牛原は4課でも武田組を担当していて、旧浅川組担当の大岩とは不仲だった。
「課長、立件しないってどういうことですか?」
笑子は署内で課長にかみついた。
「田中は死んだ。それでお前も満足だろ?」
田中竜次は潜伏先で4課の大岩刑事と銃撃戦になり射殺された。だが、射殺した刑事が大岩だってことはマスコミ発表はされていない。
「違います。AV新法に違反した法人としてのボインはどうなります?」
「おまえの証言だけで立件は無理だ」
「自殺した被害者もいるんです」
「だいたい俺の許可もせず勝手なことしやがって」
課長は部屋を出て、笑子は追いかけた。自動販売機の前で缶コーヒーを2つ買い、1つを笑子に渡した。そして自分のを開けてぐいっと一口飲んだ。
「4課からクレームがきてる」
「クレーム?」
「ボインは武田組のフロント企業だ。1課が何で手を出すんだと」
「課長はそれでいいんですか?犯罪見逃して平気なんですか?」
「いいもなにも刑事部長も了解している。仕方ないことだ。おまえもだんだん警察はそういう所だとわかっていくよ」
体張ってがんばったのは何だったんだ?やりきれない。
「もしボインを挙げたら武田組と警察との戦争になる。ボインを見逃す代わりに田中射殺の報復もしないということで4課が武田組と話しをつけたんだ」
笑子は一気にコーヒーを飲み干してゴミ箱に捨てた。
そして廊下をまっすぐ突き当りの4課めがけて歩き出した。
「おい、やめろ。水沢戻って来い!」
笑子は4課のドアを開けた。
「何だ?」
出てきたのは大岩刑事だった。
「何でボインを見逃すの?」
笑子の凄い目つきを見て大岩は慌てて廊下に出した。
「その話はもう決まったことだ。君か?水沢って」
「はい」
「よくがんばった。でももう危険なことはよせ」
そのとき1人のヤクザ風の男が4課から出てきた。赤いスーツを着ている、確かボインが入ってるビルの前ですれ違った男だ。
「ねえ、あの人は?」
大岩の顔つき厳しくなった。
「牛原刑事だ」
「4課の人?」
「ああ」
牛原は4課でも武田組を担当していて、旧浅川組担当の大岩とは不仲だった。

