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色魔に。美少女から美女からの献身。ありえない男女の関係性。
第6章 女子校生とラブホ
 「毎日電話してるっていってたけど、いつも店の近くでかけてどんな人か確かめてたの」

 スマホの普及だ。二十年前は、女は家電でテレクラに電話をしてきた。これも時代の流れなのだろう。

 「ですね。もう帰るっていってもでてこない人もいるけど、前田さんは地元に帰るっていってたから、この人かなって思って声かけました」ですねときた。
 「ここで話はあれだから、なんか食べようか。おなか減ってない」食事に行く。相手も行こうと思ってない。それがわかっているが訊いた。
 「だいじょうぶです」案の定あっさり否定され、そういってエリカは俯いて「ラブホに連れて行ってください」と、ちいさな声で大胆なことをいう。
 「本気か」説教ではない。からかうなでもない。前田は本気で訊いた。
 「本気です」絵梨花は眼を逸らさない。
 「この辺にあるの」いいながら情けない。行く気満々だと思われたくないが訊いた。
 「駅裏にあります」

 ふたりは他人です。そんな感じで歩いた。ふたりともちらちら相手を見ながら会話はもちろんない。田舎の駅だから帰宅する人で人はいた。エリカのいうとおり駅裏にラブホテルが一軒あった。ホテルを前にしてふたりの眼があった。前田がなにもいわないのに絵梨花は頷いた。

 「どの部屋にする」部屋番号とパネルに部屋の室内の写真がある。
 「すごい。選べるんですね。」ほとんどの部屋が空いていた。「ここでいいですか」エリカが選んだのは洋室の部屋だった。

 いいよ、といって前田がパネルのボタンを押した四階の四〇六号室。ふたりでエレベーターに乗る。無言でエレベーターが開いた。一番奥の部屋で406号室のランプが、ここですと点滅していた。

 前田が部屋の扉を開ける、入室すると自動ロックで扉が閉まる。はいって右側に扉がある。バスルームだろう。奥に進む短い廊下を進むと。二十畳ほどの部屋。奥に白いシーツのキングサイズのベッド。手前に三人掛けの西洋風のソファー。対面の壁にはでかいテレビが壁にかかっている。ソファー前のテーブルには灰皿と部屋の説明のPOPのクリアファイルにマイクにでかいリモコンがある。

 「座って話そうよ」そういって前田がソファーに腰掛ける。エリカも室内にきょろきょろ視線を向けながら間を開けて座った。

 「何時に送ればいい」まず前田がいった。
 「泊ります」と、エリカがいう。
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