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木漏れ日をすくう手
第8章 たった一日、会えないだけで

放課後、寄り道せずに帰った。
部屋の机の上には、書きかけの手紙がある。宛先も、名も書いていないままの、あの手紙。
“いつか渡せたらいいな”と思いながら、今日も触れなかった。
窓の外から、夏の空気が入り込んでくる。
風はまだどこか湿っていて、気持ちをふわふわとさせた。
(会えないだけで、こんなに気持ちが乱れるなんて)
(もう、ただの“好きな先生”じゃないのかもしれない)
だけど、それが恋なのか、憧れなのか、まだよくわからない。
ただ――椎名先生が笑ってくれるだけで、うれしい。
それだけは確かだった。
夜、布団にくるまりながら、もう一度だけ保健室の扉をノックする夢を見た。
部屋の机の上には、書きかけの手紙がある。宛先も、名も書いていないままの、あの手紙。
“いつか渡せたらいいな”と思いながら、今日も触れなかった。
窓の外から、夏の空気が入り込んでくる。
風はまだどこか湿っていて、気持ちをふわふわとさせた。
(会えないだけで、こんなに気持ちが乱れるなんて)
(もう、ただの“好きな先生”じゃないのかもしれない)
だけど、それが恋なのか、憧れなのか、まだよくわからない。
ただ――椎名先生が笑ってくれるだけで、うれしい。
それだけは確かだった。
夜、布団にくるまりながら、もう一度だけ保健室の扉をノックする夢を見た。

