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アダルトビデオの思い出
第1章 「インディーズ」ビデオ
その日、ぼくの恐怖は的中した。

その日も、レンタルビデオ店に行く。
いつも3本ものアダルトビデオを借りていくスケベ客。
ぼくのことだ。

最初は、普通の映画を2本、その中にアダルトを1本混ぜる。
そんなカムフラージュをしていた。

男の店員の時を狙って借りる。
それもやった。

けれど、だんだんと面倒くさくなった。
堂々と、アダルトを3本借りるようになった。

そのうち、店長と親しくなった。
他の客がいない時、話ができるようになった。
ぼくの、好みは把握されている。
素人のナンパものだ。

店長が言う。
「この作品、いいよ。ちょっと前の作品だけど。
このシリーズ120分無いモノばかりだけと、2時間たっぷり見応えあるよ」
そう言って写真が無い黒いパッケージのビデオテープを渡してくれた。

その日は大手の女優ものを2本、そして黒いパッケージのインディーズを1本レンタルした。インディーズは割高だ。


ぼくはそそくさと部屋に帰ると、ひとりの楽しみを始める。

3本のうち2本は早送りで見る。
興奮するが、それほどでも無い。
良いところ以外は、早送りだ。

いよいよ本命。
期待を込めて、インディーズの作品をビデオデッキにローディングした。
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