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火照るあなたの横にある小説
第1章 明かりのむこうに
【肌に書かれた言葉】
「詩の一節、覚えてる?」
朝の光が差し込む書店のソファで、灯が澪の髪をすくいながら囁いた。
澪はまぶたを閉じたまま、小さく首を振る。
「なら、教えてあげる」
灯の唇が澪の肩先に触れる。
その感触はまるで、詩の一文字を、肌に書き記していくようだった。
首筋、鎖骨、胸元へ。
ゆっくり、確かに刻まれていく灯の声と温度。
「わたしに読まれながら、感じて」
その囁きは、澪の奥の奥まで沁みこんでいった。