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火照りが引かないあなたに
第9章 囁きの罠

彼女の吐息が耳朶を撫でるたび、俺の体中に電流が走った。
「静かにして…」そう囁くその声は震えていて、普段の彼女とはまるで違う。緊張と欲望が入り混じる瞬間を、俺は一秒たりとも逃したくなかった。
周囲の声が壁の向こうから漏れ、カップが触れ合う乾いた音も伝わってくる。けれど、俺たちの世界はここだけで完結していた。
彼女の指先が胸元から腹へと滑り、服の境目をゆっくりと押し広げる。肌に触れるその温度は、冷えたバーの空気と対照的で、ひときわ鮮烈に感じられた。
「誰かに聞かれたら…」
再び囁く言葉に、俺の中の理性がヒリヒリと痛む。だが、その背徳の香りに溺れずにはいられなかった。背筋が熱くなり、抑えていた感情が爆発しそうだった。
彼女の瞳が暗闇の中で揺れて、息を吞むと同時にその唇が俺の首筋に降りてくる。歯が甘く当たり、舌が敏感な肌をなぞる。
「声、聞かれたくないんだろ?」
俺の声も震えていた。抑制と欲望が交錯するなか、彼女の体がわずかに震え、抱きしめた腕に身を預ける。
逃れられない熱の中、俺たちは沈黙を破ることなく、しかし激しく絡み合った。
隠された声と触れ合いの間で、背徳の甘美な罠に絡め取られていく自分を感じながら。
完
「静かにして…」そう囁くその声は震えていて、普段の彼女とはまるで違う。緊張と欲望が入り混じる瞬間を、俺は一秒たりとも逃したくなかった。
周囲の声が壁の向こうから漏れ、カップが触れ合う乾いた音も伝わってくる。けれど、俺たちの世界はここだけで完結していた。
彼女の指先が胸元から腹へと滑り、服の境目をゆっくりと押し広げる。肌に触れるその温度は、冷えたバーの空気と対照的で、ひときわ鮮烈に感じられた。
「誰かに聞かれたら…」
再び囁く言葉に、俺の中の理性がヒリヒリと痛む。だが、その背徳の香りに溺れずにはいられなかった。背筋が熱くなり、抑えていた感情が爆発しそうだった。
彼女の瞳が暗闇の中で揺れて、息を吞むと同時にその唇が俺の首筋に降りてくる。歯が甘く当たり、舌が敏感な肌をなぞる。
「声、聞かれたくないんだろ?」
俺の声も震えていた。抑制と欲望が交錯するなか、彼女の体がわずかに震え、抱きしめた腕に身を預ける。
逃れられない熱の中、俺たちは沈黙を破ることなく、しかし激しく絡み合った。
隠された声と触れ合いの間で、背徳の甘美な罠に絡め取られていく自分を感じながら。
完

