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大きなクリの木の下で
第5章 拉致監禁

陽が落ちて、廃工場の倉庫が闇に包まれる頃、
3人の男は再び美代子の前に現れた。

必死に拘束を解こうと抵抗した証が手首にひどいアザを作っている美代子を見て「可哀想になぁ…痛かったろ?」と優しい言葉をかけた。

3人の男が美代子を拉致監禁したことを悔いて
改心してくれたのかと思った。
これでようやく解放される…

安堵したのも束の間で、男の一人が「いいものをプレゼントしてやるからな」とポケットから小さなビニール袋を取り出して
中から塩粒のような一欠片の結晶を取り出すと、それを持参してきたスプーンの中に入れ、ペットボトルの水を注ぐとスプーンの底からライターの火であぶった。

極道モノの映画などで見られるシーンが目の前で行われていた。

結晶が溶けると男は慣れた手つきで小さな注射器でその溶液を吸い上げた。

「ちょっと痛いけど我慢してね」

優しい口調とは裏腹に、手荒に二の腕にゴムチューブが巻かれてグイッと縛り上げられる。

そして次の瞬間、その腕にチクリとした感覚を覚えた。
だが、この昨夜からほとんど寝かせてもらえず犯され続けていた美代子は、自分はこいつらの玩具にされるのだ。もう、好きにすればいい。そう思っていた。
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