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大きなクリの木の下で
第5章 拉致監禁

静脈に注射針が差し込まれ、
シリンダーの中の悪魔の薬液が血液に直接注入されていく。
不思議と薬液が駆け巡ってゆく感覚を覚えた。
体が少し冷えるような、冷たい感覚。
ヒンヤリして、気持ちいい…
シャブに違いないと危惧したけれど、
案外と美代子の体を案じて栄養剤でも静脈注射でもしてくれたのではないかと思えた。
瞼が重くなる…
このまま、少し眠りたい…全部忘れて…少しだけ休ませて欲しい…
きっと目覚めれば全てが夢だったと思えるに違いない。
もう許して…お願い、このまま静かに眠らせて…
だが、眠ろうとした意識が、一瞬にして覚醒される。
大きく見開かれた瞳孔が拡散し、心臓は100mを走り終えた時のように早鐘を打った。
眼が眩むような強烈な光に辺りが包まれ、
興奮と快感が、疲弊した美代子を襲った。
瞬時に猛烈な快感に支配されてゆく。
『うっ…くっ…!あっ…!
は、はあ、あああぁっ!!』
体の急激な異変に、たまらず猿ぐつわされた口から声にならない悲鳴を美代子は叫んでいた。

