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大きなクリの木の下で
第1章 初めて見せた弱さ

宗一は静香を娘に迎えてから女遊びをするわけでもなく、
伝書鳩のように自宅と会社を行き来するだけの生活。
彼だってまだまだ男盛りなのだとこの時になってようやくわかった。
自分を引き取ってしまってから浮わついた女遊びの出来ないことになってしまった事をちょっぴり申し訳なく思った。
静香に不自由をさせないために必死に支えてきてくれた宗一。
オナニーを目撃したからといって、ここまで非難するのは申し訳ないとさえ思えた。
「ごめんなさい…お父さんだって男だもんね…
女性とセックスしたいって思うこともあるわよね」
宗一の胸に抱かれ、今は暴れることもなく、その胸に顔を埋めて彼の体臭を吸った。
フェロモンが発生しているのか、いつもの父のくたびれた体臭ではなく、女を蕩けさせるかのようなドキドキする香りがした。
「お父さん…女を抱きたいんでしょ?」
私、お父さんになら抱かれてもいいわ。
そのような意思表示を込めて、静香はそっと目を閉じて顔を上げた。
この時、初めて宗一は静香を娘ではなく女として意識した。

