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大きなクリの木の下で
第9章 由里子の家

シャワーを終えて食卓につくと
父親が車椅子に座って「遅い!遅い!」と不満を口にした。
世話をしてくれる妻の登喜子は自分をほったらかして席を外してしまうし、一人だけポツンと座ったままだったのだから大いに不満だった。
「どう?スッキリしました?」
フェラチオで抜いてもらって良かったわねという意味も込めて、登喜子はスッキリという言葉をやや強調したのだが、シャワーを浴びてスッキリしましたか?という意味だと思って「ええ、とてもスッキリしました」と竹本は破顔で答えた。
「そう、それは良かったわ
さあさ、食事にしましょ」
そう言われて食卓についた竹本はテーブルの上に並べられた数々の品々に驚きを隠せなかった。
「これ、すべてお母さんが?」
「昔から料理は得意なの
それに、あなたに食べてもらえると思うと、とても楽しく料理が出来たわ」
私の血を引いているせいか、娘の由里子も料理が得意なのよと
娘のアピールをすることも忘れずに付け加えた。
そんな和やかな会話を遮るように「飯!飯を食わせろ」と苛立った父親が動かせる左手でテーブルをバンバン叩いた。
「あらやだ、この人ったら私たちが楽しそうにしているものだから僻んじゃってるのよ」
はいはい、わかりましたよご飯にしましょうねと
駄々っ子をあやすように登喜子は夫の肩をポンポンと叩いた。

