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大きなクリの木の下で
第1章 初めて見せた弱さ

処女を捧げたあの夜から
週末ともなればどちらかのベッドに忍び込み、
肉欲を貪りあった。
外出すれば腕を組んで歩き、
ご近所からは「本当に中の良い親子ですね」と賛辞を送られた。
なにも知らない方たちからは中の良い親子に見えたことだろう。
だが、家の中ではオシドリ夫婦と言ってもよいほど愛情を育んでいた。
好きな男が出来たら俺のことなんか捨てていいんだからねと、
宗一は事あるごとに静香に言い聞かせた。
だが、養父である宗一が静香にとっては意中の男性なので、他の男には見向きもしなかった。
高校生の時も、大学生の時も
静香の美貌にメロメロになって言い寄ってくる男は掃いて捨てるほどいたが、誰も静香を落とせずにいた。
だからクラスメートからは『もしかして、雨宮静香はレズビアンなのかもしれない』と陰口を叩かれても静香は気にも止めなかった。
そんな父がめっきりと性欲が落ち、
静香がいくら頑張っても勃起しない夜が多くなった。

