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大きなクリの木の下で
第2章 二人だけのディナー

小さなテーブルを囲って、2人はすぐにお酒を飲み出した。
静香は料理が得意なのかテーブルの上のいくつかの料理はどれもこれも美味だった。
いつもは一人だけの食事で、それもデリバリーやら冷凍食品ばかりだったので、こうして誰かと差し向かいで手料理を食べるのっていいものだなと感慨にふけった。
竹本は帰りの電車の時間が気になり「どんどん飲んじゃってね」とグラスにビールをついでくれるのだが「いや、もう、お酒は充分ですから」と飲むのを控えると、
「お酒飲めないわけじゃないんでしょ?美味しいからどんどん飲んでよ~」と言ってくる。
竹本は正直に「そろそろ終電の時間だから、そうゆっくりも出来ないんですよ」と言うと、
「なぁ~んだ、そんなことを気にしてたの?野暮ねえ、ここに泊まっていけばいいじゃない」と、酔いがまわって来た様子で平然とそんなことを言った。
「仕方ないなぁ…じゃあ、もう少しだけ」
静香と話をしながら、飲む酒は本当に美味しかった。
もう少しだけといいながらどんどんとピッチがあがり、気づけば終電の時間はとっくに過ぎていた。

