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大きなクリの木の下で
第3章 同窓生の美代子

「あんたさぁ、彼と付き合いたいと思ってるでしょ?」
「な、何よいきなり…彼とは本当にそんなんじゃなくて…」
私たちの間に隠し事はナシよ
そう言うと美代子は静香の隣に席を移動して肩を抱いた。
「あの人を見つめるあんたの目はおもいっきり恋してる女の目だったわ」
そうなのかしら…
ハッキリと意識していなかったけれど、
竹本くんと一緒にいれば楽しいし、これが恋心ってものなのかしら…
「そうね…美代子の言うように、友情から愛情に変わっていければいあなぁって思っているかも」
こうやって言葉にするといやがうえにもにも竹本を男として意識するようになってしまう。
そうやって人を煽るだけ煽っておいて
「でもね、あの人はやめておいた方がいいわ」と冷たくいい放った。
てっきり話の流れからして「ようやく白状したわね、あんた達がうまく行くように応援するからね」という言葉が返ってくると思っていただけに「はぁ?」と、すっとんきょうな声をあげてしまった。
「あの人、とてもじゃないけど裕福じゃないわ
住んでるところだってボロアパートだったし」
「そんなぁ…人を裕福だとか貧乏とかで選別しないでよ!」
「いい?恋愛って言うのはお金がかかるのよ
あの人とデートしたって遊園地や水族館なんて絶対に無理よ
せいぜい、その辺の公園を散歩するぐらいだわ」
「別に、私、それでもいいわ」
「最初だけよ、そんな風に言えるのは
考えてもみなさいよ、高校生じゃあるまいしそんなデートばかりで満足できると思う?」
そう言われれば、確かにクリスマスなんかはそれなりのレストランでディナーを楽しみたいし、運転免許も取得していないみたいだし、移動は自転車だなんて辛すぎるわ…
「あんたにはさあ、私が目ぼしい男を探してあげるから
それまでは…私があんたを可愛がってあげるじゃない」
えっ?どういうこと?
あんたさぁ、酔ってるでしょ?と静香が怒るよりも先に
ガバッと美代子が静香に覆い被さって唇を奪った。
「あんたにいい男が出来るまで…私で我慢しなさい
ね、決して悪いようにはしないから」
唇を重ねたままそんなことを言って
彼女の手が豊満な乳房を揉み始めた。
「美代子、あんた酔ってるでしょ!」
突き飛ばしたいのに、妙に美代子は力強く抱き締めてきた。

