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大きなクリの木の下で
第4章 文豪 中岡清史郎

「誤字脱字の訂正なら大先生も怒らないさ、
反対によく気がついたねえと誉めてくださるだろう
でも、文法がどうのとか、段落がおかしいとか、事細やかに訂正するもんだから、原稿が真っ赤じゃないか!」

「その大先生に言ってあげなさいよ
もう一度小学校から国語を勉強されたらどうですかって!」

「その言葉、本人の目の前で言えるのかよ!」

「ええ、言えますとも!
あんたも原稿をもらったときに注意してあげなかったの?
それこそ、怠慢だわ!」
「うぎぎぎっ!」

担当の編集者は歯軋りして顔を真っ赤にして込み上げてきた怒りを何とか静めた。
もう少しで静香に手をあげてしまうところだった。

「雨宮くん、その大作家さんとやらが詫びに来いと言っているらしい。
穏やかに説明が出来るかい?」

なんなら上司の私が出向いて事を収めてきてやろうか?と部長は代行を申し出てくれたが「いえ、私が行きます!」と竹本にフラれた事でアドレナリンが出ているせいか、鼻息も荒く大先生とやらの自宅に編集者に同行して矛を収めてもらうことにした。

「しかし、君も大した珠だなあ…
怒らせたのは誰だか知ってるのかい?
文学賞をいくつも戴いている現代の文豪とも呼ばれる中岡清史郎だよ」

お詫びの手土産として中岡が好物だと言っていた八幡堂の最中の包みを大事そうに抱(かか)えてタクシーの中でブツブツと愚痴を言った。
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