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大きなクリの木の下で
第5章 拉致監禁

美代子とはデートと呼べるデートはしたことがない。
こちらの都合も考えずに二日おきぐらいに不意に部屋を訪ねて来ては、朝までセックスをさせられるという関係だったからだ。
それを付き合っていると言われればそうなのかもしれないが、
一度も彼女から「愛している」だの甘い言葉をいただいた記憶がない。
「あのね…美代子はあなたと一緒に私の部屋で再会してからというもの、三日と待たずに私の部屋に遊びに来ていたの」
『なんだよ、俺のところだけでなく、静香さんのところにも足繁く通っていたのかよ…』
「そんな美代子が、この一週間、何の音沙汰もないのよ」
「彼女なりに忙しいんじゃないんですか?」
「そう?そうなの?美代子、あなたに忙しいと伝えていた?
ちゃんと竹本さんとは連絡を取り合っているのよね?」
「いや、連絡っていうか…
こちらから彼女に連絡することもないし…」
そういえば、ここんところ、全然部屋に遊びに来ないなと気づいた。

