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大きなクリの木の下で
第5章 拉致監禁

「この間から電話をかけても繋がらないし、
LINEは既読にならないし…」
「いつも不意に訪ねてくるから迷惑だとか言ったんじゃないですか?」
「竹本さんから連絡してみてくれない?」
「いや…僕は彼女の連絡先なんて知らないし…」
「えっ?!知らないの?
そんなはずはないでしょ?あなたたち、付き合っているのよね?」
「付き合っているというか…
僕の場合も美代子さんが突然押し掛けてきて泊まってゆくというか…」
「何よそれ!それじゃ、セフレみたいなものなの?」
静香に言われて、ようやく自分は美代子に遊ばれているのかと自覚した。
とにかく心配だから今夜、少し付き合ってよ。
彼女の部屋を訪ねてみたいの。と、
竹本の都合も聞かずに強引に約束を取り付けられた。
仕事が終わって二人は美代子の部屋に行くことにした。
『そっか…美代子とは付き合っているとかではなくて、
単なるセフレとして遊ばれていただけなのか…』
静香に指摘されるまで、
美代子とは、このようなつきあい方もあるのだなと
何の不審にも思っていなかった。

