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厳冬の氷点下で助けた女
第1章 厳冬の氷点下で助けた女
運転席にいたのは若い女だった。
ぱっと見た感じ、二十歳前後の若い女。
上着は黒いダウンだが、
この寒いのに、短いスカートだ。

凍えていることがすぐにわかった。
「どうしたの?」
「滑って落ちちゃったの。」

ケガは無い様子だが、意識がもうろうといった感じだ。
話しかけても答えない。
意識が混濁している。

これは大変だ。
とりあえずオレは自分の車に運ぶことにする。
うまく歩けない様子で、オレが支えながら、オレの車に乗せる。
体が冷え切っている。

おれの車は背の高いSUVだった。
後部座席は倒してあり、そこには毛布と厚手の寝袋が広げてある。オレは運転中に眠くなるとパーキングに止めてそこで寝る。
外が氷点下でも、しばらくは暖かく眠れるのだ。

彼女を寝かせ、同時に車の暖房をMAXにする。
彼女のブーツを脱がせるときに足にさわったが、びっくりするほど冷たい。
凍死寸前ではないか。

ケータイで救急に電話しようとするが、圏外の表示が出ている
(今現在でも、北海道には圏外の道が結構ある)
病院に運ぶ前に、彼女を温めるのが先決と考えた。
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