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レッスンの仕方が間違っている!
第10章 3次審査前日
そろそろ日付が変わる。
「はぁ、はぁ、はぁっ……」
荒い息遣いが響く、夏の夜。
椿は消えかかる街灯だけが照らす、家の前の駐車場に居た。
履き慣れたスニーカーで地面を蹴る。
幾多のステップ音が駐車場のアスファルトに吸収されていく。
近くに数本の空のペットボトルと、残り僅かなラスト1本が転がる。
アスファルトに写し出され、軽快に蠢いていた影が止まった。
黒い影が上下に揺れる。
「っ、終わり!はぁ、はぁ……」
膝に両手をつき、肩で息をする椿。
日本の夏は、夜でも蒸し暑い。
その中を3時間ぶっ通しで踊っていた。
大量の汗が髪の生え際から顎のラインを伝い、ポタポタと地面に染み込んでいく。
無論暗闇の中、それを直視するのは不可能だが。
首筋から流れ出る汗は、肩に掛けるタオルが吸い、肌にピッタリ貼り付いていた。
同様に貼り付いた、白いTシャツの裾を摘まみ、バサバサさせながら、片耳のイヤホンを外す。
Tシャツは白い上に薄い生地で、所々肌が透けて見えるのは気のせいでは無い。
「……ふふっ」
やっぱりこのイヤホン……なかなか良いな。
功に勧められたんだよね。
椿はちょっと嬉しそうに1人笑って腰を降ろす。
「はぁーーーっ……長かったなぁ、この1週間。」
そのまま大の字に寝そべり、大きな独り言。
まだ筋肉で締まった胸筋が上下している。
その様子から、相当疲れたことが伺える。
「いよいよ明日か……早いなあ。」
否、既に12時を回った。
あまりにも星が綺麗で、手を伸ばした拍子に腕時計の縁が反射する。
「あ……もぅ今日か。」
夏の夜空を眺めながら、椿はこの1週間を振り返ろうとしていた。
「はぁ、はぁ、はぁっ……」
荒い息遣いが響く、夏の夜。
椿は消えかかる街灯だけが照らす、家の前の駐車場に居た。
履き慣れたスニーカーで地面を蹴る。
幾多のステップ音が駐車場のアスファルトに吸収されていく。
近くに数本の空のペットボトルと、残り僅かなラスト1本が転がる。
アスファルトに写し出され、軽快に蠢いていた影が止まった。
黒い影が上下に揺れる。
「っ、終わり!はぁ、はぁ……」
膝に両手をつき、肩で息をする椿。
日本の夏は、夜でも蒸し暑い。
その中を3時間ぶっ通しで踊っていた。
大量の汗が髪の生え際から顎のラインを伝い、ポタポタと地面に染み込んでいく。
無論暗闇の中、それを直視するのは不可能だが。
首筋から流れ出る汗は、肩に掛けるタオルが吸い、肌にピッタリ貼り付いていた。
同様に貼り付いた、白いTシャツの裾を摘まみ、バサバサさせながら、片耳のイヤホンを外す。
Tシャツは白い上に薄い生地で、所々肌が透けて見えるのは気のせいでは無い。
「……ふふっ」
やっぱりこのイヤホン……なかなか良いな。
功に勧められたんだよね。
椿はちょっと嬉しそうに1人笑って腰を降ろす。
「はぁーーーっ……長かったなぁ、この1週間。」
そのまま大の字に寝そべり、大きな独り言。
まだ筋肉で締まった胸筋が上下している。
その様子から、相当疲れたことが伺える。
「いよいよ明日か……早いなあ。」
否、既に12時を回った。
あまりにも星が綺麗で、手を伸ばした拍子に腕時計の縁が反射する。
「あ……もぅ今日か。」
夏の夜空を眺めながら、椿はこの1週間を振り返ろうとしていた。