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レッスンの仕方が間違っている!
第1章 プロローグ
 ん・・・・・・重ぃ、っ・・

 訳がわからずもがく。
 唇に違和感。

「クチュ、クチュ・・・・・・」
「ん・・・・・・ふッ、ぁっく、っハァアッ」

 気持ち悪いから!

「ヌチャッ・・・・・・」

 男と俺の口から糸のように唾液がしたたる。

「お目覚めかな?」

 満べんの笑みで見てくる男の顔が目前にあった。

「ドンッ」
「朝から何なんだよ!」

 俺は男を突き飛ばして、飛び起きた。
 タオルケットが音もなく床に落ちる。
 そしてすぐに口を拭った。

「つれないなあ~功はぁ・・・・・・フフッ」

 認めたくないが、いつものことだ。
 もう1度。
 俺は嫌いだ。
 鈴木 昴、この作詞家が。

 そして俺もこの男も、これから起こることは・・・・・・恐らくこの時点で、なんとなく予期してたんだと、今なら思える。
 本当に笑える。
 これはそんな話。
 偶然だったのかもしれないし、必然だったのかもしれない。
 一時は運命を呪った。
 でも人生なんて上り坂ばかりなわけがなかった。
 つまらないばかりが人生な訳無いよな。
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