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舞台の灯が消える前に
第1章 光のあたらない場所
このままで一生が終わっていく気がした――。

吉岡奈央は、電車の窓にもたれながら、自分の顔が反射したガラス越しにそうつぶやいた。
通勤ラッシュを少し過ぎた時間。平日10時始業の派遣先に向かう途中の風景は、いつもと変わらないはずなのに、今日はどこか色あせて見える。

「…また、寝坊した?」

スマホのメッセージに、彼――智也からの短い文。朝、彼より先に起きて弁当を作る約束をしていたのに、起きたのは彼が出ていった後だった。

「ごめん、帰ったらちゃんと話そ。」

そう返して画面を閉じる。
電車の中で、誰かが笑っている。その声に、少しだけ息が苦しくなった。

大学を出てもう三年。何かを頑張ってきた記憶も、夢中になったことも思い出せない。ただ、演劇サークルで舞台に立ったあの数分間だけは、今も胸の奥で明かりのように灯っている。

そして、あの明かりが、どうしようもなく恋しい。
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