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幸せのカタチ
第15章 七夕

「倫也さんて、いい男なんだね?」
「そうよ、いい男でしょう?色気もあって本当にいい男だったわ…」
確かに倫也の容姿はイケメンだった。
なので、若いころは良くモテたのだ。
私の自慢の彼氏でもあった。
そんな倫也にも雅紀は両手を合わせて祈ってくれた。
とても感謝していたのは言うまでもない。
雅紀は本当に優しい人なのだとこの時感じたのだ。
そんな事を思っているとまた雅紀が聞いて来る。
「ところで、猫ちゃんたちの写真はどこにあるの?」
「マサさんの後ろのDVDデッキの上に写真が飾ってあるわ…」
「あー、ここに居たんだね…」
「置く場所が無くてそこに全員の写真を飾ってあるわ…」
「そかそか、やっと会えたね、君たちに会いたかったんだよ…」
そう言うと雅紀は嬉しそうに写真を見て両手を合わせ合掌し祈っている様だった。
本当に雅紀は動物が好きなのだとこの時感じたものだ。
強か写真を見終わるとクルリと身体の向きを変えて私の顔をマジマジと見つめてくる。
そして、満面の笑みを浮かべてこう言うのだ。
「未来さんにこうして会えて俺は本当に嬉しいよ…」
「そ、そう?私も嬉しいわ…」
私はちょっと緊張しながらそう答えた。
時計を見ると丁度11時になった頃だった。
ピザ屋さんに電話をしなくてはならない。

