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幸せのカタチ
第16章 ホテルシードット横浜
車は港北ニュータウンを目指して走ってゆく。
雅紀はタブレットのナビを見て車を走らせている様だった。

私はその車窓から街並みを眺めていた。
その街並みはとても懐かしく思い出深い景色だった。

私は前夫と結婚していた頃、港北ニュータウンで暮らしていたのだ。
雅紀が車を走らせる道はどれも思い出深い所だった。

「ここの道、昔良く車で走ったわ…」
「そうなの?」

「うん、私昔ここの近くに住んでいたから…」
「そうだったんだね…」

雅紀は私の話を黙って聞いてくれていた。
車は港北の田舎道を走ってゆく。

この田舎道も何度も走ったと私は思っていた。
車を走らせること30分くらいだろうか。

折本の信号が見えて来た。
そこを左に曲がる。

「ここの道知ってるわ…」
「そうなの?」

「うん、ここの道左に曲がるとラブホ街があるのよ…」

そう言うとラブホの看板が見えて来た。
その看板を左に曲がり急な坂道を上ってゆく。

「この坂道が堪らないね…」

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