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第1章 家族

俺は兄さんが嫌いだ。


10歳年上の兄は父さんのお気に入り…
小さい頃から賢く、成績優秀。
何より愛想を振りまくのが上手い………


兄さんは父さんの会社を継ぐため
大学卒業後は父さんの会社に入り
次期社長として側で仕事を覚えた。


まだ俺が18の時…
兄さんは28…
いきなり会社を立ち上げた。



確かに父さんの承諾はあったし
兄さん自身会社を持つだけの器もあった…


さそんな時父さんに
社長室にくるように言われた


「なに？」

俺は兄さんに甘い父さんも嫌いだ。
兄さんの我が儘を聞き甘やかす。
駄目だと反対したのを聞いた事がない…


海外に行きたいと言えば
飛行機の手配から宿泊先の予約まで…

車が欲しいと言えば
外車や高級車を選ばせ…

なんならメイドまでいる…



あんな兄さんを見ていたら
自然と甘える事なんてできなくなるよ…。



「しょうがないからなぁ…
京が会社たちあげたから
次期社長は旭によう。」



しょうがないって何？
俺はしょうがなく社長になるのか？



「遠慮したいですね
兄さんの尻拭いなんてごめんですよ」



「えー！旭！
社長だぞ！社長！！！
なりたくてもなかなかなれないんだぞ」


「興味ないんで」



ｳﾁの会社は父さんが社長。
会長は母さんの父親。所謂…祖父ちゃん。

祖父ちゃんの子供は母さんだけだったから
結婚したら婿入りで
次期社長決定だったから
父さんはさぞ嬉しかっただろうね…



柚原は母さんの姓って訳。