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マネージャーは知らなかった、彼の欲望
第2章 マネージャー、俺に触れて
あの無邪気な、甘い笑顔で。

けれど、今はその笑顔の意味を、簡単に受け止められない。

私は、震える手でドアを開けて、部屋を出た。

「……危なかった」

心の奥でそう呟いた声が、やけにかすれていた。


そしてしばらくして、事務所の飲み会があった。

恒星は盛り上げ役で、飲めないお酒に酔いながらも、場を回していた。

さすがは主役候補。

でも、さすがに帰りはグタッとしていた。

「マネージャーさぁ……俺のこと、ほんとに無理?」

打ち上げ帰りのタクシーの中。

隣の恒星は、顔を真っ赤にして、シートにもたれかかっていた。

「酔いすぎ。……水飲んで」

そう言ってペットボトルを手渡すと、彼はふにゃっと笑って受け取る。

いつものキメ顔じゃない、年相応の20歳の顔。
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