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マネージャーは知らなかった、彼の欲望
第1章 覗いてはいけないもの
夢?妄想?いや、声に出してる。間違いない。

瞬間、背筋に電流が走った。

この前の控室での出来事とは、明らかに違う。

あの時はあっけらかんとしていたのに。

今の彼の顔は、真剣で、苦しげで……なにより、いやらしいほどに色っぽい。

私は台本を握ったまま固まっていた。

もういっそ、帰ろう。

そんなことを考えた矢先、足音が近づいてきた。

「凛さん?」

顔を出した恒星は、Tシャツとジャージの部屋着姿。

頬に少し赤みがあって、乱れた髪のままだった。

「もしかして……また見た?」

「違っ……渡すだけって言ったでしょ」

「俺、言ったよね?凛さんが好きって、そういう意味で」

私の手から、するっと台本が奪われる。
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