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リクエストのラストワルツ
第4章 初めての一夜

人通りのほとんどない日曜日の夜道を帰りながら、慎也はこの1週間あまりのできごとのひとり思いに耽っていた。
(さえこさんはどうしてぼくに付き合ってくれるのだろう)
ひとりっ子で兄弟との関りがなく育った彼は、突然現れた美しい姉のような冴子の存在の眩しさにまだ戸惑っていた。
普段は凛としていて優しいのに、いきなり持つことになった男女の交わりの中では全く異なる淫らな面と抱きしめたくなる可愛いらしさが混在していて、その落差の大きさが余計にいとおしくて刺激的だった。
その日も、何度も絶頂に震えた彼女が、最後に慎也と一緒に達したあとで言ってくれたことばが、しっかりと耳に残っていた。
「ひとりでなんかしたくなったら、うちに来てね…」
「わたしの下着を慎也くんが着けていてくれると嬉しいの…」
また少しだけ汚してしまった下着を結局冴子に奪われ、彼女のショーツを穿いて帰ることになった慎也は、歩きながら膨らみが大きくなってくるのを感じて、ふと引き返そうかという誘惑に駆られるくらいだった。

