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リクエストのラストワルツ
第4章 初めての一夜

(あしたが休みだったら帰したりしなかったのに…)
消えた慎也の気配を思い起こしながら冴子は思った。
(こんなに歳が違うわたしを彼はどう思っているのだろう)
ただ可愛いなと思って近づいてみたのだが、一人の男としてあっという間に惹かれてしまっている自分と、それを抵抗なく受け入れてしかも慈しんでくれる彼のことが不思議で仕方なかった。
性欲が強いと思ったことはないはずなのに、彼の従順さに触れているとたまらなく体が疼いてしまうことに気づいたのである。
再び奪ってしまった彼の下着をいとおしそうに洗っていると、また濡れてくる。
(あんなに何度もイッたのに…また…)
下洗いした彼の下着を自分の洗濯物と一緒に洗濯機に入れて回すと、手を拭いてからベッドに横たわった。
(戻ってきてくれないかな…)
そんなことを思いながら、手が自然と股間へ伸びる…
眼を閉じると、さっきまでそこにいた慎也の息遣いを感じて熱くなる。
(あ… だめ… 彼には、ひとりでしないでね、と言ったのだったわ…)
閉じたばかりの眼を開けた冴子の手に、枕元のスマホが握られた。
交換したばかりでまだトーク履歴の少ない彼のLINEを開いた冴子は、ひと呼吸してから指を動かし始めた。
>>しんやくん…
戻ってきて…
さびしいの…
(見てくれるかしら…)
冴子は打ち終えると静かにLINEを閉じ、スマホを抱いたまま眼を閉じた。

