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智恵の輪
第3章 潜在意識
彼女の背中に手を回し、体を抱き寄せ、尖った疼きに口を近付けたところで、彼女は自らキャミソールを後ろに脱ぎ捨て、「もう…」と小さな声で私を叱り、穏やかな目つきで見つめていた。私は再びお預けをされた気分になり、笑みがこぼれてしまった。

彼女の黒い目が意志なのか、何らかの感情を持って私を見つめていた。瞳の中の光が動揺で揺れている気がした。

2人に笑みは消え、彼女は私の肩に手を添え、目を伏せていた。彼女の視線の先には、私の抑えの利かなくなった男の芯があった。

額を汗で光らせた彼女は、「はぁはぁ…」と息が荒くなり、前に進むのを躊躇(ためら)っているようだった。それは不安を抱えている表情に見えた。これから起こることへの不安なのか、抑えられない気持ちの高ぶりを隠そうとしているのか、うまく表情を読み取れなかった。
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