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恋かるた
第5章 思いたえなむ -睦月-

>補講に行くので夕飯は先に食べて下さい
帰りの電車を降りると瑞穂のLINEが志織に届いた。
>>気をつけてね
その日、沢田と最後の一線だけは越えなかったことで、志織は少し救われた気がしていた。
(入試が終わるまでは待っていよう)
自宅までの道を歩きながらそう心に決めたのだが、家に帰ると。同じメッセージがテーブルの上に残されていた。
(あの子らしいわね)
思いやりのある娘に育ってくれたことが志織は嬉しかった。
>今日はありがとう
風邪引かないように
沢田のLINEだった。
>>こちらこそ素敵な時間をありがとうございました
返信を打ち終えるとほんの少し前のことが甦ってきた。
(彼は気を悪くしなかっただろうか…)
(でも、今はあれでよかったのだ…)
そんなことを思いながら、志織は彼に包まれていた胸にそっと手を当ててみた。
まだ彼の掌の優しさが残っているような気がした。
(あ、感じる…)
眼をつぶり、名残のある手の動きをなぞってみる。
両方の胸の先端が敏感に反応した。
(気持ちいい…)
志織は片方の手を胸に残したまま、スカートの裾を手繰り寄せていた。
触れなくても自分の変化を感じていた志織は寝室へ向かうと、スカートを下ろし、ストッキングの中へ手を入れた。
いつの日にか沢田に脱がされることを想像しながら。
ショーツの上から蕾をそっと押さえてみる。
(熱い…)
ストッキングに手を締め付けられながら中指がゆっくりと動き始める。
(あ… 感じる…)
指は小さな円を小刻みに描きながらだんだんと速さを増していく。
(やだ… きもちいい… いい…)
セーターの中へくぐった手が、同じリズムでブラジャーの上から胸の先端をつまむように弄ぶ。
(もうだめ… 止められない…)
昼間のできごとが志織の感覚をすでに頂上近くまで押し上げていた。
手の甲でこすれるストッキングの音のリズムがあっという間に早くなっていく。
(すごくいい… だめ… もう… あああ… もうだめ…)
指がこすれる。
狂ったように激しくこすれる。
(あ、だめ… いっちゃう… いく、いくいくいく)
長い長い眠りについていた志織の官能が揺り起こされ、その瞬間はっきりと目覚めた。

