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恋かるた
第8章 身も焦がれつつ -卯月-

 志織の肩からバスローブが外される。

 そのまま剥がされるようにソファの上でショーツ姿にされた志織は、沢田に抱き上げられ、ベッドへ静かに下ろされた。
 
 背を丸めて裸を隠す彼女のそばで沢田はバスローブと下着を脱ぐと、覆いかぶさるようにしながら志織に唇を重ねた。

 両手が沢田の背を掻きむしるように掃く。

 背後へ伸びた彼の手が、ゆっくりとショーツを剥いでいくのを助けるように、無意識に志織は腰を浮かせていた。

 潤いにあふれた花弁を開いて沢田の指がその中へ潜り込み、蜜を掻き出すように動かされると、志織の膝は思わず開いたまま曲げて高く引き寄せられ、淫らな濡れた音が部屋に満ちていく。

「お願い… ほしい…」

 
 絞り出すような志織の声に沢田は小さくうなずき、そっと指を抜いて膝を開き自分をゆっくりとあてがった。

「うぅあ… あぅ… あ…」

 口を抑えた手の指の間から、抑えきれない志織の声が洩れる。

 花弁を押し開き、沢田がゆっくりと入ってくる。

 少し入っては引き、引いては進む。

「ああぁ… あああぁ…」

 蜜壺の入口を沢田が行き来しながら少しずつ中へ送り込まれてくるのを感じているうちに、その感動と堪えられない快感とで志織はすでに昂まりのピークへ近づきつつあった。

 そして、満ちている潤いで促されるように、沢田のすべてが志織の中に迎え入れられた。
 その瞬間、しっかりとつながったふたりの間で押しつぶされそうになった蕾が極まった悲鳴を上げた。

「あ、あ、ああぁ… い、い、いく、いく、いくっ!」

 長い間待っていた沢田とやっとひとつになれたという感動だけで、志織はあっという間に達した。



「うれしい…」

「かわいいよ、しおり… ありがとう…」 

 それからつながったまま、繰り返し突き上げられた志織は数えられえないほど、絶頂の淵を彷徨った。

 そして沢田にもその時がやってきた。

「しおり… しおり… かわいい…」

「あああぁっ… さわださん… わたしのなかに…」

 
 いくっ、と沢田が小さく呻いた瞬間、躰の奥深くで彼の熱情が何度も勢いよく放たれたのを感じた志織は気がおかしくなりそうな快感と浮遊感の中で、痙攣しながら一緒に果てた。

 バルコニーの手すりに止まっていたスズメが2羽、そんなふたりを見つめながら首をかしげていた。
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