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恋かるた
第8章 身も焦がれつつ -卯月-

「きらいになりませんか?」
服を着たまま再び何度も絶頂の渦に翻弄された志織は、沢田の腕の中で胸に顔を伏せながらつぶやくように訊ねた。
「どうして? 可愛くって… たまらない…」
志織の頭を見下ろして語りかけるように沢田が応える。
「恥ずかしい… こんなに何度も…」
「素敵だよ… しおりちゃん…」
泣く子をあやすような沁みる声に、志織はもう一度彼にしがみついた。
それぞれにシャワーを浴びたふたりはバルコニーに面した窓際のテーブルに向かい合っていた。
4月の休日の明るい陽射しがふたりを浮かびあがらせる。
「やっぱり恥ずかしい…」
バスローブの胸を隠しながら志織がつぶやく。
「うそみたいだね…」
沢田の静かな声に彼女は黙ってうなずいていた。
ティーカップを置き、おもむろに立ち上がった彼に背後からそっと抱かれた志織は顔を振り仰いで眼を閉じるとその唇を求めた。
温かい唇が重ねられ、バスローブの襟元から差し込まれた掌に小さな胸はすっぽりと包まれた志織はかすかに呻く。
胸を愛撫されながら、バスローブの帯がそっと解かれた。
前を合わせようとした志織の手はそれを諦めたかのように、沢田の首のうしろへ向かう。
明るい陽の光の下に白く透きとおった志織の躰が晒され、レース飾りに包まれて脚の付け根を覆っている桜色のショーツが鮮やかに浮かび上がった。
「可愛い… 穿き替え持ってきてたの?」
「はい…」
ショーツが替わったことに気づいた沢田に訊ねられて志織は小さく返事した。
お茶の水のホテルで、濡れたショーツを彼に洗わせてしまったことが恥ずかしくてたまらなかった。
背後から伸びた手がその桜色のショーツをくぐろうとする。
「あ…」
いやいやをするように反射的に首を振った志織は、顔の横にビキニブリーフに包まれて固く屹立した沢田を感じると思わずそれに手を触れていた。
(これがほしい…)
ショーツの中で沢田の指が小刻みに動く。
その動きをせがむかのように脚が開いていき、リズミカルな濡れた音が小さく耳に入ってくるようになると、志織は固くなっている沢田を夢中で握りしめていた。
「ほしい…」
こらえられなくなった志織は、眼を閉じたまま訴えるように沢田を仰いだ。

