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第5章 元ヤンだって、初体験

「…え？」

「ほら、里も寝よう。」

部屋に入るとそのまま布団に入るミナト。

てっきりヤるのかと思っていた私は拍子抜けした。

突っ立ったままの私を見上げ、首をかしげると私の布団をポンポンと叩いた。

「ね、寝る…けど…」

（何だ、この虚無感は。いや、ほっとしたけど…なんつーか、覚悟決めただけにショックというか…）

戸惑っているとミナトがため息をついておき上がり、布団に座った。

「怖がるなって。」

「…え？」

私がなかなか布団に入らないのをおびえていると勘違いしたのか、ミナトがイラついたように言った。

「もう里には触らないから。安心して。」

「み、ミナト…？」

ミナトは怒ったような、傷ついたような複雑な顔をしていた。
ズキンと胸が痛む。

「突っ立ってないで寝よう。榊原たちのとこは行かないほうが良いから。ここで我慢して。布団離そうか？」

「ち、違うっ…そういうんじゃなくて…」