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百合の華は永遠に
第5章 元ヤンだって、初体験
けど…
「…まあな。」
たまには素直に認めてしまうのも悪くない。
「あー!里が珍しく素直~~!」
「う、うるさいっ絶対、松田には言うなよ!」
「ええ~~?」
ニヤニヤする梓から目を逸らし、店の外を見る。
待ち合わせしている男二人がこちらに向かってきていた。
相変わらず無愛想なミナトと、愛想の良さそうな松田。
対照的な二人が並んで歩く姿はいつ見ても面白い。
「あっ、マサキ君たち!」
梓が窓の外に手を振ると、気づいた二人が手を上げる。
ミナトがこちらを見て、表情を崩して優しく微笑んだ。
小さく手を振りながら、私も一緒に顔が緩むのを感じる。
いま、わたしはきっと、世界一幸せなんだと
柄にもなく
そんなことをおもったりした-
-fin.- ~元ヤンだって、初体験~