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百合の華は永遠に
第1章 百合の華は永遠に
「すみません..毛布を..」
「かしこまりました。すぐにお持ちしますね。」
隣の男をチラチラ見ながら、申し訳なさそうに言う女性客に頷き、私は毛布を取りに行った。
「こちらどうぞ。」
「あ、私の分まで..」
また申し訳なさそうに頭を下げ、男に優しく毛布をかける彼女に、思わず頬が緩んだ。
「ご旅行ですか?」
「ええ..新婚旅行なんです。」
頬を染めて照れ笑いする彼女に、胸が暖かくなる。
私は小さく頭を下げて、ゆっくりその場を去った。
私は伏見百合。
大学を卒業し、ようやくCAとなった。
一人前にはほど遠いけれど、充実した毎日を送っている。
ただ一つを除いて。