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百合の華は永遠に
第2章 元ヤンだって恋をする
「は!?」
(こいつ…ドMか!?)
「わ、私はMな男は嫌いだっ!」
「じゃあ良かった。」
「…え?」
意味が分からず私が抵抗をやめると、ぽんぽんと頭を叩いて、両手を背中に回された。
「俺、Mじゃないから。北村さんの対象には入るでしょ?」
「たいしょう…?」
「さっき言ったじゃん。俺は北村さんのこともっと知りたいって。で、最終的には付き合ってほしいんだけど。」
「…つ、つき?」
「うん。」
(付き合うって何だ…?付き合うって…梓と松田みたいな…手繋いで…キスして…)
不意に梓の昔読んでいた小説を思い出した。
「えっ、えっちするのか!?」
「え?!」
驚いた田所が身体を離して私を見た。
「えっ…まあ…付き合ったら…する…かも…」
ほんのり赤くなってきた田所に、こっちは自分の吐いた台詞に今更気づいて顔が熱くなった。
「ちっ、ちがう!今のは、違うんだ!」
「…北村さん…可愛い…」
「へえ!?」
田所がぽつりと言った言葉に、私はフリーズした。
「元ヤンでもでも何でも、俺はかまわないよ。もっと知りたい。それに、俺がそばにいて守ってあげるから。」