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百合の華は永遠に
第2章 元ヤンだって恋をする
だんだん顔が近づいてくる。
私は背中をゆっくり引き寄せられて、戸惑いながらその顔をから目が離せないでいた。
「ちょっ、ちょっ、」
「黙って。」
「~~~~!」
間近に顔が来て、私が動けないでいると田所の動きが止まった。
「もうひとつ、榊原たちから聞いたんだけど。」
「…??」
「北村さんって俺のこと好きなの?」
「!?は、はは…何言ってんだよ…」
目を逸らすとフッと笑った。
「嘘だ。」
「ち、違うよ!」
「じゃあ違うなら早く突き飛ばしてよ。」
「…っ」
「キス、しちゃうよ?」
またゆっくり顔が近づいてくる。
私の頭の中でぐるぐるいろんな思いが混ざり合って、
「す、好きだよ!悪いかよ!」
出た言葉はそれだった。
田所がぴたりと動きを止めて目を見開く。
すぐに笑顔になるとそのまま唇を奪われてしまった。
「…っ…」
(な、唇が…き、キスされてるぞ男に!!ど、どうすりゃいいんだ!)
顔が離れて、止めていた息を吐き出す。
すると目の前でクスクスと笑われた。
「顔が茹蛸みたい。」
「誰が蛸だよ!は、初めてだから仕方ねえだろ!?」
(ああ~…なんでもっと可愛く照れたりできねえんだよ私は…)