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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第17章 背徳のドライブ
神奈川の得意先に顔を出し、直帰とホワイトボードの予定表に書き残して、裕樹は会社を後にした。

改札脇のコインロッカーから、旅行のために荷造りしたボストンバッグを取り出して、裕樹は指定された場所へと向かう。

五反田でナツと会った日のこと。

終電前にバスタブに二人で浸かりながら、ピロートークの中でナツは一つの提案をした。

「今度はさ、一緒に旅行なんてどう?熱海に良いコテージがあるの。そこに泊まろうと思って。」

ナツと二人きりの旅行──

裕樹は、熱海には大学時代に行ったことがあった。

初めて行く場所なら、観光を楽しむことも大切かもしれない。

だがこの旅行はきっと、妄想が現実になったような、ただそれだけの目的の旅行である気がしていた。

過保護な親元を離れて暮らすようになった裕樹は、初めて自分の人生を生きているという実感があった。

誰と、どこで、何を、いつまで、それはすべて自分で考えて自分が決めるし、それを止められることもない。

(一日中ヤリまくりたいな…。)

他にも何をするか考えていると、電車に揺られる時間もあっという間に過ぎた。

ナツに指定された東戸塚駅に着くと、西口改札をくぐり、バスロータリーの方へと向かう。

合流する前に、コンビニで何か飲み物を買ってから行こうと考えていると、見覚えのある豊満なシルエットの女性がコンビニに入っていく。

足早にその後を追って、後ろから回り込むようにして恐る恐る顔を覗き込む。

「あら、誰かと思ったら。お疲れ様。」

ナツも同じことを考えていたらしかった。

薄手の黒のトップスに、深い赤のロングスカート。

胸の大きさと重さに生地が引っ張られているせいか、胸元だけが張り裂けそうなほど主張している。

肌の露出が一切ないにも関わらず、丸みと重さがはっきりと分かるその見た目から、ホテルでのあられのない姿を思い出してしまう。

思わず目を逸らしたくなるほどのフェロモンが、またしても滲み出ていた。
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