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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第17章 背徳のドライブ
ナツはダッシュボードにゆっくりとカメラを伏せ、再び裕樹の太腿に指先を触れた。

太腿から、神経をなぞるように指先が腰へと流れていく。

ナツは指先の動きを目で追うことなく、裕樹から視線を逸らさない。

脱がされていく裕樹が崩れる瞬間を、今かと待つ眼差し。

その逃げ場のなさに、裕樹は思わず呼吸を止めた。

露わになった腰を横切って、肌と布の境界をなぞりながら指先が滑り込んでいく。

ナツは、ゆっくりと肌の面積を広げていくようにシャツを捲っていく。

指先がわざとらしく裕樹の蕾を掠めた瞬間──

我慢していた呼吸が崩れて、鼻から吐く息の音が静かに響いた。

その反応に、ナツの指先が一瞬止まる。

そして何事なかったかのように、シャツを持ち上げた。

腕が引き上げられ、脇を過ぎ、頭を抜け、絡まった布が両腕を縛って──

裕樹は、磔にされた捧げ物の姿になった。

ナツは音を立てずに、カメラを手に取る。

小さな電子音が鳴り、レンズが開くのを見て、裕樹の胸の奥が強く脈打つ。

ナツは右目でレンズを覗き込み、閉じられた左目からは、表情を窺えない。

カメラが僅かに上下し、やがてぴたりと止まった。

ナツの人差し指がシャッターに沈んでいくのを、裕樹は目で追ってしまう。

その視界の端で、ナツは僅かに口を開けて、舌先で唇を舐めているのが見えた。

シャッター音が車内の静寂を切り裂いて、ナツがゆっくりとカメラから顔を離す。

「うん……すごくいいのが撮れた。」

ナツは噛み締めるように頷いて、裕樹の頬に手を触れた。
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