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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第8章 可惜夜に焦がれ墜つ【破】
捧げられるようにして、突き出された葵の肉体。

その神秘的な造形を、目の前で堪能したいと裕樹は思い始めた。

柔肌の名残惜しさも去ることながら、裕樹は体を起こした。

「葵ちゃん、少し椅子の位置をずらしたいから少し立ってくれる?」

葵が立ち上がるのを、手伝うようにくびれに手を添える。

ふらふらと脱力した様子で、ゆっくりと葵は立ち上がる。

キャンピングチェアを左90度、床を引きずるようにして位置を変える。

葵の正面に回った裕樹は、人形を触るように葵の体を支えながら、ゆっくりと葵を座らせる。

葵の顔は薄く目を開いて、少し蕩けたような目をしていた。

今まで見たことのないその表情は、裕樹が後々認識する、雌の表情そのものだった。

葵が腰掛けたのを確認して、足早にカメラのアングルを確認する。

葵はカメラのアングルに対して、真横に座っているのを確認し、裕樹は向かい合うようにして木の椅子の位置を変える。

腰掛けた裕樹は、初めて真正面から見る葵の肉体のプロポーションに息を呑む。

華奢なその体には、不釣り合いなほどたわわに実り過ぎた乳肉は、男の本能を試すために与えられた供物のようだった。

外から差し込む光が、葵の白い肌に僅かに反射して、艶っぽさを彩る。

乳輪の色素は淡く、肌の色に溶け込んでいて、小さな蕾のような乳首が中心に添えられているだけだった。

アダルトビデオで目にしてきた、どんな女体よりも葵の体は至高に近く、その迫力に圧倒された裕樹は、胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。
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