この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第9章 可惜夜に焦がれ墜つ【急】

裕樹にもたれるように座る葵。
これから葵の身に起きることを思えば、紫のショーツはもう意味をなさなかった。
「これ、もういらないよね。」
裕樹がそう言ってショーツの縁に指をかけると、葵の体が僅かに跳ねた。
葵の瞳が潤み、裕樹を見つめる。
その視線には、戸惑いと微かな訴えが滲んでいた。
力のない指先が裕樹の手を阻もうとする。
「……ぃやっ…」
声にならない声が漏れて、拒絶と呼ぶにはあまりにも弱々しいその手を、裕樹はそっと握り、静かに退けた。
二人の視線がぶつかる。
お互い何かを口にすることはない。
ゆっくりと布地は柔らかな太腿を降りていく。
肌が晒されていくたびに、恥じらいと抗えない戸惑いが目の奥に滲んで、揺れ動いた。
布地が自身の肌から遠ざかって行く事実を諦めたのか、あるいは受け入れたのか、その瞳が閉じられる。
膝から足首を滑る布地がついに、つま先から離れ、葵の全てを裕樹は目の当たりにする。
黒く艶めく髪、肩から胸元へと流れる豊かな曲線、くびれたウエストと腰へと流れるライン。
どれをとっても彫刻のように滑らかで、呼吸に合わせて肌は微かに震え、命の鼓動を伝えていた。
芸術について疎い裕樹でも、その姿は美しい作品のようだと思い、言葉が失われ、胸の奥から浅い吐息が漏れた。
この美しさが、粘液と汗に濡れていくことを思うと── まるで、聖なる彫像が獣に変わっていくような錯覚に陥る。
淫れて、激しく喘いで、葵の中の獣を呼び覚ます、──これはそんな儀式のようだと、裕樹は思いながら、指先が葵の下腹部へと伸びていく。
これから葵の身に起きることを思えば、紫のショーツはもう意味をなさなかった。
「これ、もういらないよね。」
裕樹がそう言ってショーツの縁に指をかけると、葵の体が僅かに跳ねた。
葵の瞳が潤み、裕樹を見つめる。
その視線には、戸惑いと微かな訴えが滲んでいた。
力のない指先が裕樹の手を阻もうとする。
「……ぃやっ…」
声にならない声が漏れて、拒絶と呼ぶにはあまりにも弱々しいその手を、裕樹はそっと握り、静かに退けた。
二人の視線がぶつかる。
お互い何かを口にすることはない。
ゆっくりと布地は柔らかな太腿を降りていく。
肌が晒されていくたびに、恥じらいと抗えない戸惑いが目の奥に滲んで、揺れ動いた。
布地が自身の肌から遠ざかって行く事実を諦めたのか、あるいは受け入れたのか、その瞳が閉じられる。
膝から足首を滑る布地がついに、つま先から離れ、葵の全てを裕樹は目の当たりにする。
黒く艶めく髪、肩から胸元へと流れる豊かな曲線、くびれたウエストと腰へと流れるライン。
どれをとっても彫刻のように滑らかで、呼吸に合わせて肌は微かに震え、命の鼓動を伝えていた。
芸術について疎い裕樹でも、その姿は美しい作品のようだと思い、言葉が失われ、胸の奥から浅い吐息が漏れた。
この美しさが、粘液と汗に濡れていくことを思うと── まるで、聖なる彫像が獣に変わっていくような錯覚に陥る。
淫れて、激しく喘いで、葵の中の獣を呼び覚ます、──これはそんな儀式のようだと、裕樹は思いながら、指先が葵の下腹部へと伸びていく。

