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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第9章 可惜夜に焦がれ墜つ【急】

隅に避けていたレジャーシートとバスタオルに裕樹は手を伸ばし、キャンピングチェアの前にそれらを敷き始める。
まるで誰かを迎え入れるための儀式のように、快感で脱力している葵の様子を見ながら着々と準備する。
クッションを2つタオルの上に置き、立ち上がってカメラの方を見る。
記録の重要性は、既に欲望によって塗りつぶされていた。
画面を見る事はせずに、カメラの固定された角度を少しだけ床に傾ける。
(これで映っているはず…)
そう思いながら、もう画面を確認する気はなかった。
葵は椅子に座ったまま、肩を落とし、浅い呼吸を繰り返していた。
触られ続けた身体は、熱と快楽に溺れ、もう自身の重さすら支えきれないようだった。
裕樹はそっと両手を伸ばして、葵の指先に触れる。
指先に力はこもっていなかったが、僅かに指が動いた。
まるで触れられることを、待ち望んでいたかのようで、裕樹は少し強引にその手を取る。
「こっちに、来て」
糸が切れた人形のように力が抜けた葵の手を引いて、ゆっくりと立ち上がらせる。
脚がもつれて、身体は自然と裕樹に寄りかかった。
葵の体を抱きしめるようにしながら、ゆっくりと膝をつく。
敷かれたバスタオルの上に、葵はそっと腰を下ろす。
裕樹が足を開いて座ると、葵の背中が密着して、体温がじんわりと肌の奥に伝わっていく。
まるで、背もたれに身を預けるように──
葵の瞳は伏せられ、唇がわずかに開いていた。
その姿は、捧げられた供物のように、無垢で、けれど甘く濡れていた。
まるで誰かを迎え入れるための儀式のように、快感で脱力している葵の様子を見ながら着々と準備する。
クッションを2つタオルの上に置き、立ち上がってカメラの方を見る。
記録の重要性は、既に欲望によって塗りつぶされていた。
画面を見る事はせずに、カメラの固定された角度を少しだけ床に傾ける。
(これで映っているはず…)
そう思いながら、もう画面を確認する気はなかった。
葵は椅子に座ったまま、肩を落とし、浅い呼吸を繰り返していた。
触られ続けた身体は、熱と快楽に溺れ、もう自身の重さすら支えきれないようだった。
裕樹はそっと両手を伸ばして、葵の指先に触れる。
指先に力はこもっていなかったが、僅かに指が動いた。
まるで触れられることを、待ち望んでいたかのようで、裕樹は少し強引にその手を取る。
「こっちに、来て」
糸が切れた人形のように力が抜けた葵の手を引いて、ゆっくりと立ち上がらせる。
脚がもつれて、身体は自然と裕樹に寄りかかった。
葵の体を抱きしめるようにしながら、ゆっくりと膝をつく。
敷かれたバスタオルの上に、葵はそっと腰を下ろす。
裕樹が足を開いて座ると、葵の背中が密着して、体温がじんわりと肌の奥に伝わっていく。
まるで、背もたれに身を預けるように──
葵の瞳は伏せられ、唇がわずかに開いていた。
その姿は、捧げられた供物のように、無垢で、けれど甘く濡れていた。

