この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第9章 可惜夜に焦がれ墜つ【急】
隅に避けていたレジャーシートとバスタオルに裕樹は手を伸ばし、キャンピングチェアの前にそれらを敷き始める。

まるで誰かを迎え入れるための儀式のように、快感で脱力している葵の様子を見ながら着々と準備する。

クッションを2つタオルの上に置き、立ち上がってカメラの方を見る。

記録の重要性は、既に欲望によって塗りつぶされていた。

画面を見る事はせずに、カメラの固定された角度を少しだけ床に傾ける。

(これで映っているはず…)

そう思いながら、もう画面を確認する気はなかった。

葵は椅子に座ったまま、肩を落とし、浅い呼吸を繰り返していた。

触られ続けた身体は、熱と快楽に溺れ、もう自身の重さすら支えきれないようだった。

裕樹はそっと両手を伸ばして、葵の指先に触れる。

指先に力はこもっていなかったが、僅かに指が動いた。

まるで触れられることを、待ち望んでいたかのようで、裕樹は少し強引にその手を取る。

「こっちに、来て」

糸が切れた人形のように力が抜けた葵の手を引いて、ゆっくりと立ち上がらせる。

脚がもつれて、身体は自然と裕樹に寄りかかった。

葵の体を抱きしめるようにしながら、ゆっくりと膝をつく。

敷かれたバスタオルの上に、葵はそっと腰を下ろす。

裕樹が足を開いて座ると、葵の背中が密着して、体温がじんわりと肌の奥に伝わっていく。

まるで、背もたれに身を預けるように──

葵の瞳は伏せられ、唇がわずかに開いていた。

その姿は、捧げられた供物のように、無垢で、けれど甘く濡れていた。
/83ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ