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家は檻。〜実父の異常な愛〜
第3章 半透明の優等生
はむ……
こよみの口が、ためらいがちに開かれ、孝幸の熱を帯びた先端をそっと咥え込んだ。
粘膜がふにゃりと触れ、ぬめった皮膚を包み込む。

その瞬間、孝幸の喉がかすかに震え、押し殺した吐息が漏れた。
口内に満ちる温もりと湿り気、そして何より――その拙く頼りない感触。
彼の欲を受け止めるにはあまりに不慣れで、未完成な、幼い器。

孝幸は、頭を掴んだまま、こよみの動きを導くように、ゆっくりと前後に揺らす。
「……歯を立てるな。包み込んで、唾を出して……」

その指示に、こよみは素直に従おうとする。
意味も、理由も、何一つ理解していないまま。
ただ命令に従うように、舌を少し動かし、奥へ奥へと。

けれど、喉の深くまで押し込まれるたびに、呼吸がうまくできなくなる。
息が詰まり、喉が押し広げられ、くぐもった小さなうめき声が漏れる。

「っ……ん、ん……ふ……っ」

苦しい。怖い。
でも、逃げられない。頭を押さえる手が、じわりと力を込めている。
まるで、声にならないその反応すら、孝幸にとっては悦びのひとつであるかのように。

そして、自然と滲んだ涙が、こよみの頬を静かに伝って落ちていく。
反射のように、抵抗でもなく、理解でもなく――ただ、身体が反応して流す涙。

孝幸の動きは次第に激しさを帯び、こよみの頭が揺れるたびに、濡れた音がいやらしく空気を震わせた。
その幼い器は、息苦しさと熱と唾液に、ただ濡れていった。
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